鉢の内側の縁に返し(内側に角度)をつける。使いやすさの追求。漆塗りは伝統の製法を忠実に再現。会津生まれの本漆こね鉢。
■会津塗り 木製こね鉢 本漆こね鉢。 寄木材の詳細。
熱湯にも対応できるよう、古来からの伝統の技法で、一切の妥協を許さない漆で仕上げました。 内側の返しをつけることで、粉が外側にこぼれるのを防ぎ、中央に少し平らな部分を残すことで、 水回しから、練りの作業をスムーズに行えるよう設計しました。素地は、栃、欅、栓、楠などがあるが、木を寄木で

合わせ、彫り込む場合もある。資源を無駄なく使用するため、できるだけ間伐材や伐採の木を使用するなど心がけている。

■漆塗りの特徴
会津塗りの本製品は、素地調整から、目止め、下地と、最初の塗りの工程から全て手作業で丁寧に行ってた。耐久性にすぐれ、たとえ長年使用して痛んだとしても、漆の塗り直しが可能である。一代といわず二代目、三代目と受け継ぎ、末長くご使用いただきたい。 使いやすい形状で、表面に粉が付き難いため、使用後の手入れも楽にできる。もちろん熱湯の使用も可能。
■白木のこね鉢について 
木製こね鉢を白木のまま使用すると、水分が生地に染み込み、割れやカビの原因になります。 そのため、同じ量の加水でも、そのつど蕎麦に吸収される水分が違うため、狙い通りの硬さの蕎麦になりません。現在白木の状態でこね鉢を使用されている方にも、漆の塗り加工を提案し、本漆のこね鉢の良さを理解いただきたい。 白木のこね鉢を弊社に持ち込み漆塗りをしてほしいというお客様もおります。
ただすでに化学塗料の塗でコーティングされているこね鉢は、



一度塗を剥がしてからになりますが、完全に剥がすのが難しく、漆塗りが均一に塗り上がらない場合がございます。



 ■その後の改良点
効率良く水まわしと練りの作業が出来る形状を追求し、試作品を何度も製作した。何度改良することで、実用性に優れ、漆塗りによる耐久性のあるこね鉢は、よりいっそう蕎麦打ちが楽しめる本物のこね鉢に仕上がった。

蕎麦打ちの最初の工程 粉が飛びでにくい水回し


■使っていただくことではじめて蕎麦道具とえいる。
どれだけ苦労して制作しても、使ってもらわなければ、ただの美術品である。飾って眺めているだけでは道具ではない。老舗の蕎麦店でもご使用いただいている本漆塗りのこね鉢は、100%の蕎麦粉を、熱湯を使用し、水回しと練りの作業をほぼ毎日行っているが、この20年一度も塗り直しはしていない。漆文化の起源は、縄文時代またはそれ以上という説もある。漆は安心して使用できる天然塗料であり、漆の抗菌性の高さから、昔から食器などに施されてきた、日本の特有の文化。和食職人は、料理はもちろん道具へのこだわりは大変強い。そのこだわりに十分答えられる、作り手にとっても納得できる仕上がりとなった。

■漆塗りのこね鉢。 長く使用することで、
粉が外に飛びでにくく、中央に粉が集まりやすい形状の安定感のある直径φ60cmのこね鉢は、 一度に2kgの蕎麦を余裕をもって水回しができる。本漆仕上は、熱湯に強く、長年使用して、 たとえ使用感がでてきたとしても、塗り加工により、再び再生できる。 表面の漆の美しさと、木の質感が伝わる優しい仕上がりは、長い年月使用することで、 さらに温かみある独特の風合いへと変化していく。使い手にとっては、長年寄り添う まさに「相棒」であってほしい。 こね鉢の塗り色は、実は意図的に出した色でない場合が多い。その時の季節により、気温・湿度が違う。塗の回数やタイミングにもよるため、化学塗料とは、違う自然の塗料の難しさがある。それはある意味、こね鉢一つ一つ完成させていく中で、どれ一つとして同じものがない。大量生産できないたった一つのこね鉢。手作り感溢れる仕上がりを見ていただきたい。

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