総一位こま板 自然な淡いオレンジ色が魅力。

頑固そば道具 会津 中村豊蔵特製 銘木 総一位こま板

蕎麦包丁のガイドの役割を果たし、真っ直ぐで正確な厚みの蕎麦を切るには欠かせない重要な道具である。一位材は、表面が硬質だが全体的に軽く、表面に光沢があり滑りが良いため、こま板の材料としては理想的。特にそのさわり心地は他の材を圧倒する木目細やかさがある。 こま板の構造は、大きく分け、枕・板・反り止めの3パーツからなる。これらをホゾ組することで、丈夫で反り難い小間板が完成する。




あの聖徳太子が持つ笏(シャク)の材質でもある一位。 朝廷官人の最高の階位が「正一位」 その正一位の貴人が持つ笏の素材から、「一位」という名の由来である。飛鳥時代には、すでに銘木として珍重されていたが、当時は極限られた人でしか手にすることができなかった材料。総一位小間板はより多くの方に身近な素材として触れていただきい思いで企画・開発しました。


美しいオレンジ一色の銘木一位小間板。着色を一切無い、天然の色合いを最大限活かしたかった。

通常、小間板を作成するとき、板の材料と、枕・反り止めは違う材料を使用する。硬く重い材料と、それとは逆に軽く柔らかい材料で小間板の重量とバランスをとる。しかし表面の硬さと絶妙の軽さを有する一位は、両面の性質があるため、すべて一位材で製造しても、使いやすさ、滑りの良さ、申し分の無い理想的な小間板となる。
小間板の板材は、3段階に分けて乾燥させる。反りをある程度だしきってから小間板として製造することで、使用後の反りを軽減させる狙いがある。厚み2cmの板材は、8mmほどに加工し、さらに乾燥を繰り返し、最終的には4.5mmほどの板にする。木は生き物。加工後もつねに呼吸を繰り返す。水分率を極限まで下げることが重要である。また一位材は節が多い材料であるため、細かい節などであれば、出来るだけ目立たない場所になるよう材料を有効活用している。蕎麦打ちに支障が出るような節は使わないにしても、数ミリの節であれば出来るだけ目立たない場所に使用する。節がすべて悪いものという考えは、木に対して申し訳ない。 銘木といわれる貴重な材料。出来る限り道具として命を吹き込みたい。


オレンジ色に輝く小間板は、使い込むことで経年変化により、徐々に色合いに落ち着きと深みが出てくる。木目も立ちにくい材料で、その滑らかさは使い込むことに磨きがかかる。飛鳥時代にはすでに一位の風合いを楽しみ、生活に取り入れる文化があった。失われつつある先人の知恵をそば道具に活かしたかった。
一位は比重が約0.45〜0.62硬質で弾力性に富む材料である。古くからアイヌ人はその特徴を活かし弓としても使用していた。また木目の美しさから、床柱や茶筒などにも加工された。蕎麦道具の小間板としてもその長所は十分発揮する。包丁が当たる枕部分は、硬く弾力があるため、包丁がこま板に当たる際の「小間音」が響き、リズムが取りやすい。 長い年月を育った一位材は、鏡面に近い光沢であるため、打ち粉が絡み無くスムーズに小間板が進む。数ミリ単位での厚みを
コントロールする小間板の道具として、使わないのはもったいない材料である。





 銘木として愛されてきた材料だからこそ末永くご使用いただきたい。
      

頑固そば道具 会津 中村豊蔵特製 銘木 総一位こま板

home